消費税率8%に伴い価格表示をどうする?前編|税のいまを知りたい人のためのウェブマガジン[マンデー通信]|ふたば税理士法人

消費税率8%に伴い価格表示をどうする?前編

来年の4月から消費税率が8%に引き上げられることが決定しました。事業者は値札やメニュー、商品力夕ログ等の価格表示を変更しなければなりません。どのように変更したらよいでしょうか。

総額表示が原則だが税抜きの価格表示も認められる
消費税率引上げにともない販売価格はどう表示したらいいでしょうか?

従来から消費者に商品やサービスを提供する課税事業者には総支払金額が分かるように消費税額を含めた価格表示(総額表示)の義務がありましたが、今回、特例措置として下記(1)や(2)の表示方法も当面認められます。(図表1)
*事業者間の取引等では総額表示義務はありません。

図表1 総額表示と税抜き表示のメリット・デメリットなど

メリット デメリット 企業の対応例
総額表示 費者が実際に支払う金額が分かりやすい ・値上げしたとの印象を与えやすい
・増税時に値札の付け替えが必要
二トリホールディングス
丸井グループ
税抜表示 本体価格が分かりやすい ・消費者が実際に支払う総額が分かりにくい
・特例措置終了時に値札の付け替えが必要
・ヤマダ電機
・アパレル大手等
総額・税抜併記 値上がり感を抑えつつ支払金額が分かる 増税時に値札の付け替えが必要 ・流通グループ「イオン」は併記で総額表示を強調
・セブン&アイ・ホールディングスは併記で税抜表示を強調
(1)認められる税抜価格の表示方法

消費者が表示価格を「税込価格」と誤解しないように下記が例示されています。

個々の値札やチラシ、看板、ポスター、ウェブページ等に掲載した個々の商品に税抜価格であることを明示する例

  • 1,000円(税抜価格)
  • 1,000円(本体価格)
  • 1,000円(税別)
  • 1,000円+税

一括して表示価格が税抜価格であることを明示する例

個々の値札等には「○○○円」と税抜価格のみを表示し、店内やチラシなどの消費者が目につきやすい場所に次のような表示をすることが認められます。

<例>当店(本チラシ)の価格はすべて税抜表示となっています。

(2)税込価格と税抜価格を併記する方法

消費者が税込価格と税抜価格を混同しないように表示しなければならず、表示例として下記が示されています。

  • 1,000円(税込1,080円)
  • 1,000円(税込1,080円)*税込価格の背景を色アミ掛け
  • 1,000円(1,080円)*税込価格にアンダーライン
  • 1,000円(税込1,080円)*文字の大きさが極端に違う場合を除く

税抜価格等の表示が認められるのは、平成29年3月31日までです。

※次週は、「消費税率8%に伴い価格表示をどうする?後編」です。

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