- 第81号
- 発行
扶養控除等(異動)申告書を記載するときの注意点
扶養控除等(異動)申告書は、従業員が配偶者控除や扶養控除、障害者控除、寡婦控除を受けるためにあります。記載に間違いや漏れがあると、正しい控除額を計算できないため、以下の注意点を社員によく説明して正しく記載してもらいましょう。
1. 16歳未満の子供(扶養親族)は申告書下段の「住民税に関する事項」欄に記載する
「A 控除対象配偶者」欄または「B 控除対象扶養親族」欄に、配偶者または扶養親族の氏名、続柄、生年月日をもれなく記載します。ただし、満16歳未満の子供(扶養親族)に対する扶養控除は平成23年に廃止されているので、「控除対象扶養親族」欄ではなく申告書の下段の「住民税に関する事項」の「16歳未満の扶養親族」欄に記載します。
2. 扶養親族等の収入をよく確認し漏れなく「所得金額」を記載する
控除対象配偶者や控除対象扶養親族の欄の「所得の見積額」欄には、パート・アルバイトおよび年金などの所得がある場合に、1年間の「所得の見積額」を記載しますが、所得があるにもかかわらず記載が漏れていることがあります。なお記載するのは、「収入金額」ではなく「所得金額」であることに注意しましょう。
「所得金額」とは、収入から必要経費(給与の場合は給与所得控除額)を差し引いたものです。
配偶者の年収がパート収入のみの場合、1年間の年収額(税金や社会保険料等を差し引く前の金額)から65万円を控除した金額を記載してもらいましょう。
3. 扶養親族が70歳以上の場合は「同居老親等」または「その他」のいずれかに「◯」を付ける
70歳以上の父母・祖父母等を扶養している場合、「同居老親等」又は「その他」のどちらかを「○」で囲みます。
「同居老親等」とは、満70歳以上の扶養親族のうち本人またはその配偶者の直系尊属(父母や祖父母など)で常に同居している人をいいます。常に同居している老親等が病気で入院し別居になった場合でも同居老親等に該当しますが、老人ホーム等に入所している場合は該当しません。なお、本年中に扶養親族が亡くなった場合でも扶養控除の対象になります。
4. 障害者控除・寡婦控除等を受けられる場合は、漏れなく記載する
本人が障害者である場合や障害者を扶養している場合は、障害者控除の対象になります。「C障害者、寡婦等」欄の「左記の内容」欄に障害者手帳の種類、障害の等級、状況などを漏れなく記載します。
夫(妻)と死別あるいは離婚し、その後も婚姻していない人や、夫(妻)の生死が明らかでない人は、一定の条件のもと寡婦(夫)控除が受けられる場合があります。該当する場合は記入しましょう。