税務や経理を中心に旬な情報をお届けする月刊「ふたば便り」

決算の留意点

今年も早いものでもう3月ですが、3月は決算をむかえる会社も多いことでしょう。そこで今月は決算の留意点をみていくことにしましょう。

現金預金

事務用品や消耗品などを購入する際、代表者が立て替え払いをすることはよくありますが、このとき正しい経理処理をしていないと、帳簿上の現金残高がマイナスになってしまうことがあります。現金がマイナスになるというのは理論的にはありえないことで、こうした帳簿を作成していると帳簿全体の信頼性が失われてしまいますので注意が必要です。

売掛金・未収金

売上代金などが未回収となっている場合には、相手先別に入金状況を把握することが必要です。回収が遅れている相手先に対しては督促をかけるなどの手続きが必要となりますが、相手先の状況によってどうしても回収が見込めない場合には、決算上、貸し倒れの処理を検討する必要があるかもしれません。

在庫

商品や製品などの在庫を持っている会社では、決算日時点で棚卸しを実施して在庫の実際残高を調べなければなりません。なお、コピー用紙や封筒、切手など、購入時には経費で処理したものが決算日時点で大量に残っている場合には「貯蔵品」として在庫に計上しなければならない場合もありますので、商品などを持っていない会社であっても要注意です。

売上の計上

会計や税務では、売上代金を回収したときに売上計上するのではなく、商品などを引き渡したときや請求書を出したときに売上計上することが原則ですので、今期の決算の売上になるのか、来期の決算の売上になるのか、決算期末日付近の売上計上には特に注意が必要です。税務調査でもこの点については必ず見られますので、正確な処理をしておきたいところです。

経費関係

会社の経費として認められるものはいうまでもなく仕事で使ったもののみですから、代表者のプライベートな支払いなどが混ざっていないか今一度チェックしましょう。また、修繕などを行った場合、それが全額経費になるのか、それとも、固定資産として全額経費にはならないものかは判断が難しいところですので、専門家の意見を聞くようにしましょう。

その他

思ったよりも利益が出ている会社であれば、今月中に経費処理できる消耗品などの購入や生命保険への加入を検討する必要があるかもしれません。一方、利益が出ておらず、金融機関からの借入がある会社であれば、合法的な範囲で利益を出す決算の検討が必要かもしれません。今月はいよいよ金融円滑化法が期限切れとなりますので、業績が思わしくない会社は来年に向けて、売上と利益をあげるための経営に本気で取り組む必要がありそうです!

2年間延長されてきた「金融円滑化法」が今月で期限切れとなります。おかげさまで各地の商工会議所でこのテーマのセミナー講師としてお話しさせていただく機会が増えましたが、この制度を利用している会社の方々には逆風に負けずぜひがんばってほしいところです! 俊

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